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無料公開中の絵本『えんとつ町のプペル』の感想と、絵本制作の“分業制”について思うこと

えんとつ町のプペル
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えんとつ町のプペル』という絵本をご存知でしょうか?

キングコングの西野亮廣さんと絵本の制作チームが手掛けた絵本で、ウェブ上で全ページ無料公開して大変話題に(というか大炎上)なりましたね。

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私もウェブ絵本を読んでみました。

ストーリーや制作過程について私が感じたことを書いてみたいと思います。

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ストーリーついて思うこと

ネットで全ページ無料公開されていますので、あらすじはここでは書きません。

でも、感想を書く上でどうしてもストーリーに触れる必要があります。

ぜひ絵本をご覧になってからこのブログの続きを読んでください。

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どこかで読んだような?既視感のあるストーリー

「えんとつ町」という名の通り、舞台はえんとつだらけの町です。

しかも、4000メートルの崖に囲まれているという設定。

空は煙でおおわれ、人々は空の青さも輝く星も知らない。

西野さんはあとがきの中で、この町についてこう語っています。

えんとつ町は、夢を語れば笑われて、行動すれば叩かれる、現代社会の風刺

なるほど。

てか、待って、4000メートルの崖って?富士山よりも高い、山ではなく「崖」に囲まれている・・・。

進撃の巨人』※ の壁の比ではないぞ・・・。

※『えんとつ町のプペル』と全く関係ない漫画です。

『えんとつ町のプペル』を読み進めてみると、海が存在したり、どんな地形なのかを想像するのが難しい・・・。

非常に閉鎖的で息苦しい世界であることを表現したかったのかな?と思いました。

また、えんとつの煙で空が見えない。

私は最初、人間の愚かさが招いた環境破壊がテーマかな?という印象を受けました。



『えんとつ町のプペル』は、ゴミの塊にひょんなことから心臓が宿って、「ゴミ人間」となったプペルと、プペルに心を許す少年、ルビッチの物語。

ルビッチは、プペルにどこか懐かしいにおいを感じて、死んでしまった父親の思い出話を語ります。

  • 父親の写真が入ったペンダントをなくしてしまったこと
  • えんとつ町では見ることができない空には、光り輝く星がある、と教えてくれたこと
  • 星の存在を町の誰も信じてくれず、嘘つき呼ばわりされて死んでしまったこと

・・・あれ?なんかラピュタみたい(笑)

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ストーリーの展開、エピソードの端々にどことなく既視感があるような気がしました。

ただ、そのことを批判するつもりは全くないです。

新しい物語を作ろうとするときに、元ネタとなるストーリーがあったり、好きな話に影響を受けて似た雰囲気になったりすることはよくある。

天空の城ラピュタ』も、『ガリバー旅行記』や『ラーマーヤナ』のストーリーを元ネタにしているのは有名な話だし。

絵本のように短い文章の中で伝えたいことを詰め込むためには、ある程度見聞きしたことのある展開をストーリーに組み込むのは有効な方法だと思います。

『えんとつ町のプペル』は、何を伝えたかったのか

「信じる心」と「愛」、でしょうか・・・。

閉鎖的環境、弱者差別、家族愛、信念、思いやり。

いろいろな要素があり、絵本としてはボリューミー。文字数が非常に多いので、テーマを見失いそうになりますが。

軸の部分は、「信じる心」と「愛」なのかな、と思います。

なんかね、私は読んでる途中で心が痛くなっちゃって。

心が痛いシーンのボリュームがすごいから、なんだかお腹いっぱいになってしまって。

ラストにあまり感動できなかった・・・。

この絵本を好きな人は大好きみたいだし、子供にも人気あるみたい。以前西野さん本人の発信を見た限りでは。

私はウェブ上でしか読んでないから、ちゃんと買った「絵本」で読んだら、印象は違うと思います。

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挿絵はハイクオリティ。好みは分かれるかも

『えんとつ町のプペル』は税別2000円。

・・・結構いい値段しますよね!(^^;

その理由のひとつとして、挿絵の色にこだわり、通常の本の印刷では使わない特殊な色のインクを使用しているとか。

挿絵は複数のイラストレーターさんが手掛けています。

実際の絵本を手に取ったことはないですが、1枚1枚、本当に丁寧に書き込まれています。

画集みたい。

えんとつ町のプペル
出典:えんとつ町のプペル
えんとつ町のプペル
出典:えんとつ町のプペル

絵本の挿絵は西野さんの意向で、ブログなどで自由に使うことが許可されています。

絵のテイストはどこか外国風で、好みは分かれるんじゃないでしょうか。

また、舞台や人物の顔が海外のイメージなのに、ちょうちんがあったり、日本語の看板があったり・・・。

面白いと感じるかチグハグだと感じるか・・・私は正直後者でした(笑)

『えんとつ町のプペル』はどのように制作されたのか

この絵本は分業制で制作されました。

西野さんの他に絵本の制作スタッフがたくさんいます。

絵本『えんとつ町のプペル』の制作は分業制。
「西野はゴーストライターを雇っている!」などと揶揄されることも多々あるのですが、いやいや企画立ち上げから、「今度は分業制で作ります」と発表しており、その為にお金(クリエイターさん達に支払うギャランティー)が必要なので、クラウドファンディングを利用しました。
 
絵本の最後には、いわゆる『奥付け』ではなく、スタッフクレジットページを設けており、この作品を一冊でも多く届けることが、制作に参加してくださったスタッフさんへの最大の恩返しだと僕は考えます。

分業制と給料のこと│キングコング西野 公式ブログ

分業制について思うこと

分業制、個人的には素晴らしいと思います。

私自身、こうして創作絵本サイトを運営しています。

多くの作品で、イラストレーターさんの力をお借りしたり、フリーイラストを活用したりしています。

他の誰かの力を借りることで、自分では生み出せない、クオリティの高い作品を作れると思っています。

なので、西野さんの考えに共感できる部分はあります。



著書だって共著がある。

漫画もグループでの制作、あるいは原作者と漫画を描く人が別、というパターンがある。

絵本も、挿絵と文が別の人、というスタイルは昔から存在しています。

ただ、絵本の場合は、一人の方が絵も文も手掛けているケースは確かに多いと思います。

西野さんも、当初は一人で絵本を制作されていたようです。

なぜ、『えんとつ町のプペル』は分業制で制作しようと考えたのか?

「各専門分野のプロフェッショナルに仕事を委託して、制作費をかけて作った絵本」は、地球上に存在しないのです。
理由を聞けば、漫画や映画に比べて、基本的にメガヒットが出ない『絵本』というものは、制作コストをできるだけ抑えるのがセオリーとなっているそうです。
だから一人で作るしかありません。
しかし、です。
日本という、世界トップレベルのイラストレーターがゴロゴロ転がっている国に生まれたのに、その才能を活かさないのは、もったいない話です。

【世界初】キングコング西野が、常識破りの手法で絵本『えんとつ町のプペル』を作る

分業制ということ自体は、目新しくはないと思います。

でも、敢えて外注してビジネスとして成立させようとするプロジェクトは話題になるし、クリエイターさんたちにとってもチャンスであるはず。

時に過激な発言をしたり、絵本の無料公開で大批判を浴び、炎上商法だ!などと言われることもある西野さん。

でも、結果的には話題になってたくさん売れて、制作関係者さんたちに還元できたなら、彼のやり方は成功だったと言えるでしょう。

『えんとつ町のプペル』はロングセラーになれるか?見守りたいと思います(最後に)

『えんとつ町のプペル』は、ウェブで無料公開し、賛否両論の大きな話題になりました。

結果的には、当時、Amazonや楽天の絵本部門で売り上げナンバー1に!

ベストセラーとなりました。

でも、「絵本はベストセラーよりもロングセラーの物を選べ」と、そんな話も聞きます。

愛され続ける絵本は、子供の心を掴んでいるからこそ売れ続ける、という考えですね。

長く人々から愛され続ける絵本となることを願っています。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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